
座った状態でTVを見たり、PCを操作したり。
もしくは疲れた時や怪我をした時など、様々な理由で人は悪い姿勢を取りがちです。
頭では良い姿勢を取らねばと思っていても、どういうわけか気付けば悪い姿勢になっている事も。
そもそも、どうして身体は「悪い姿勢」になってしまうのでしょうか?
①身体の“一部”にとっては“楽”だから。
②その姿勢の方が“作業効率上”いいから。
おおまかに言えば、この2つですね。
まず①の、「身体の“一部”にとっては“楽”だから」ですが、
わかりやすい例を挙げると、強い腹痛がある時の前屈み姿勢ですね。
ボディーに強い一撃を食らった時もそうですが、人は腹部が辛いと身体を折りたたむように前屈みになります。
これは、その腹部を守ろうとしているわけですね。
同様に、右膝が痛ければ人は体重を左側にかけて身体が斜めに傾き、
左肩が五十肩などで痛くて挙がらないのであれば、肘や背中など周りを代償的に上げる事で補おうとします。
では、どこも痛くない状況でTVをただ座って見ている時、背中が丸まって良くない姿勢になってしまうのは何故でしょうか?
それは、体幹のインナーマッスルなどが楽をする為です。
要は、”一部の筋肉たち”が楽をする為に、他の場所へ強い負担を強いていると言う事に他なりません。
良く言えば「庇って貰っている」わけですが、何処も痛くないのであればそれはただサボっているだけかもしれません。
一部の筋肉にとっては良姿勢ですが、その他大勢の筋肉が揃って負担大なので、トータルとして見ればやはり悪姿勢ですね。
ただし、実際の問題点は、その姿勢を長く続けてしまう事です。
短い時間で筋肉たちが相互に庇い合うのならいいですが、長い時間一方的に楽をする側と大変な側が分かれて、
その時間が続いてしまう事が痛みやコリを作ってしまう最大の要因なのです。
では、②の方はどうでしょうか?
これもわかりやすい例を挙げると、PCなどのデスクワーク作業ですね。
PC作業で集中して効率を良くしようと考えたなら、必然的にモニターを見る為に顔や頭が前に出て、細かい指先の動きを必要とする為に背中の肩甲骨辺りはガチッと固定されます。
結果的に、重い頭が前に出て体幹上から外れるので首が強大な負担を強いられ、その頸部にある自律神経がダメージを受け、背中や肩甲骨が固まってしまうのでコリや血行&リンパの鬱滞を招きます。
作業効率は良くなるものの、身体には悪影響大ですね。
どちらを優先するかの話になるわけですが、つい作業効率を選んでしまいがちのようです。
こうして、二つの理由から人は悪姿勢をしがちなわけです。
「悪い姿勢」と一言で断じてしまいがちですが、実際のところは”やる意義”があるから行っています。
庇う場所と作業効率。それを優先すべき時ならば、一概に「悪い」とはいいきれないですね。
あくまで、身体全体をトータルで見た時に「悪い」だけで、その先にある”理由”について考えを巡らせないと、
本当の意味で”良い姿勢”にたどり着く事はないでしょう。
皆さんも、今どちらを優先すべきかを、考えながら姿勢を”選択”してみてください。