
辛いところを手で擦る、それだけでもセルフケアです。
ただし、ある程度効果を出したいと考えたなら、もう少し時間と手間をかける必要があります。
そのポイントとして、セルフマッサージは「角度や体勢を意識する」こと。
セルフストレッチは、「バランスを微調整する」ことです。
セルフマッサージの「体勢や角度を意識する」は、指の力ではなく体重をうまく使えるよう、体勢や角度を工夫する必要があります。
指や腕の力は所詮微々たるもので、体重をかけたしっかりとした圧でなるべく奥まで届くように心がけてください。
さて、それでは今回の主題である「セルフストレッチでのバランス微調整」ですが、そんなに難しく考えなくて大丈夫です。
一流のアスリートにつくトレーナーなどは、プレイヤーの身体の軸をミリ単位で調整すると言います。
ですが、そんな絶妙な塩梅は、素人には無理です。
ましてや、自分で自分に行うセルフストレッチでは、客観的にではなく感覚的な形で行うしかないので、もっと大まかな調整しかできません。
なので、「大まかな感覚的基準」で結構です。その上で、バランス微調整をやってみましょう。
★大前提として、決まった回数や強度を守ろうとする人が多い★
毎日、30分走っている。毎朝、スクワットを30回やっている。
そういう方は多いです。これはこれで立派です。続けるのは凄いと思います。
しかし、多くの人には、身体の捻じれや歪みがあります。
そこでですが、もし大腿部の内側の筋肉(内転筋など)が硬くなっていて、特に左側の筋肉が強く縮こまって骨盤の左側が内側に入り込んでしまっていたとしたら、どう自分で対処すればいいでしょうか?
答えは単純で、左側の大腿内側のストレッチを「多めに」やりましょう。
たとえば、
右を10秒なら左は15秒。
左を10秒→右を10秒→左を10秒
といったように、時間や回数で(あえて)差を付ける事で、微調整するのです。
あとは、その時その時の状態や感覚次第で、
左を10秒→右を10秒→左を10秒→右を3秒
などと、適度に左右を合わせましょう。
ただし、この場合の最後の3秒は「伸ばすというより調整の為」なので、その3秒で10秒分伸ばすという事ではないです。
あくまで感覚合わせです。やり過ぎないよう気を付けましょう。
いずれにせよ、かたくなに「同じ回数をこなす」とか「左右同様に」は、そんなに良い事ではありません。
身体へのメリットが少ないばかりか、さらなるバランスの悪化にもつながりかねないので、もっと柔軟に考えましょう。
大事なのは、自らの感覚です。普段から左右や上下の違いを感じていきましょう。
すると、最初はあてにならない感覚だとしても、その内に鍛えられてより感じ取れるようになります。
そして、その感覚で身体を合わせればいいのです。数字ではなく、感覚で合わせる事がセルフケアの極意と言えます。
少しずつでいいので、自分でもストレッチで身体の微調整ができるようになっていきましょう。