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【辛いところを庇う身体のシステム】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「右膝が痛いまま動いていたら、今度は左膝が痛くなってきた」

 

 以前に記載した「痛みが移動する」に近い内容ですが、今回は「庇う」身体のシステムについても考察してみたいと思います。

 

 人は身体が辛い時など、症状のあるところや問題のある部位を、「無意識に」庇います。

 

 無意識なので、本人に庇っている自覚が無い事もあります。普通に歩いたり、立っているつもり――。

 

 ですが、周りから見れば身体が傾いでいたり、おかしな体勢になっていたりします。

 

 最初に述べた膝の場合、多くの方は痛い側の膝に体重が乗らないよう、反対側に体重をかけた姿勢になります。

 

 体重の負担割合を55ではなく、8(健側):2(患側)とか、歪な状態にして症状の軽減を図るわけです。

 

 その結果、身体は斜めに傾いだように見えます。

 

 他にも、腹部に強い張りや腹痛がある時に上半身が自然と屈んでしまって身体がまっすぐにできないなど、庇った結果の不具合というのは様々な形があります。

 

 また、中には反対側ではなく上下で庇う方もいる為、患側の腰や足首に症状が出る方もいます。

 

 いずれにせよ左右で出るか上下で出るか、その反応は人それぞれなわけですが、庇った事による代償が他の場所に出ます。

 

 場合によっては、元々の症状が治った頃に現れたり、時には元々の症状を超えるほど悪化してしまう事もあるくらいです。

 

 故意にせよ無意識にせよ、ともかく人は問題のある部位を庇います。その結果が腹部の筋性防御だったり、不自然に傾いた姿勢だったりするのですね。

 

 そして、長い期間その姿勢を続けていると、今度は身体自体が捻じれたり歪んできます。

 

 たとえば膝の場合、不自然な歩き方や立ち姿勢から、大腿部と下腿部の軸がずれてしまう事が多いです。

 

それは患側にしても健側にしても同様で、結果的に良くない「癖」が身体に残ってしまいます。

 

 一時的な代償に限らず、その後の人生において半永久的とも言える、後遺症のような影響を残しかねないわけです。

 

 

 

 それでも、人の身体における「庇う」というシステムは有用なものです。

 

 長期的に行うと「悪い癖」を根付かせてしまうので要注意ですが、短期で見た場合には患部を治す為に必要な行動とも言えます。

 

 しっかりと患部を安静にして、集中的な治療で早く治してしましましょう。

 

 「庇っている」期間は無償ではなく有償なのだと考え、一刻も早く症状を改善する意識が重要です。