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【いい姿勢に対する誤解】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 以前に脱力についての回で、姿勢の重要性について述べました。

 

 いい姿勢や正しい姿勢は、身体への負担が少ないです。

 

 無意識に入ってしまう力みが無いため、極めて少ない労力で維持できます。

 

 さらに、余分な力が入っていないが故に美しい姿勢である事も多いです。

 

 一見、良い事尽くめの「正しい姿勢」。

 

 では、そのいい姿勢をずっと続けていると、身体はどうなるでしょうか?

 

 たとえば、座り姿勢。

 

顎を適度に引いて頭部がしっかりと体幹に乗り、背筋も自然に伸びて骨盤が立った状態で力みなく座れているとします。

 

 しかしその体勢を五時間、ひたすら作業をしながら続けていた場合、おそらく身体は腰痛や臀部の張りを訴えてくるでしょう。

 

 そう、「身体の負担が少ない」であって、「0」ではないからです。

 

 たとえ少しずつでも、長い時間の継続で負担が積もれば、他の姿勢と同様に疲労になります。

 

 つまり、どんなにいい姿勢でもその体勢ばかりでは身体は辛くなる、という事です。

 

 わかりやすい例として、仰向けで寝た体勢を挙げます。

 

仰向けは、色々な姿勢の中でも最も身体に対する負担が少ない姿勢です。

 

 立位や座位と違って、重力の負荷や床面との接触面積が非常に広いですね。

 

それはすなわち、負担の分散がまんべんなく、一か所に集中しないという事を示します。

 

 それでも、ずっと仰向けのままだと身体は辛くなります。時間が長くなると脇腹への負担が増しますし、腰臀部や脇腹が硬いと膝を浮かせたくなるでしょう。

 

なので、熟睡していても左向きか右向きか、自然と寝返りしますよね。

 

 小さい子供が何時間でも寝てられるのは、寝返りをよくうつからです。

 

 結局、それが一番ベストなのです。どんなにいい姿勢や楽な姿勢でも、長い時間になれば同じところ(部位)に疲労が蓄積します。

 

 30分仰向けで寝たら30分どちらか横向きで寝て、また30分仰向きで寝るか反対側の横向きで寝るか。或いは座るか立つか――

 

 細かく体勢を変えて、なるべく同じところに負担をかけ続けない。

 

 たとえ「いい姿勢」であっても、長くは続けない――。

 

 最も楽な姿勢の仰向け寝ですら、一晩そのままだと翌朝寝起きは全身カチコチなのですから。

 

 座り姿勢や立ち姿勢で最良の姿勢を続けても、重力や体重による圧は必ず身体にダメージを蓄積します。

 

 では、結局「いい姿勢」は意味のないものなのか?

 

 ・・・そんな事はありません。姿勢を変えていく中で、いい姿勢をする事は重要です。

 

 いい座り姿勢いい立ち姿勢仰向け寝横向き寝いい座り姿勢

 

 という具合いに、姿勢を変えていく中でも負担の軽減を計る事が大事なのです。

 

 

 疲労を溜め込まないこと。その為にできる事を毎日コツコツと、続けていきましょう。