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【固定という機能について】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今回は、運動における「固定」について考察してみようと思います。

 

 以前から述べているように、筋肉が縮む事で骨は引っ張られ、結果的に関節が動いて「運動」となります。

 

 ところが、筋肉の働き(運動)には『固定』というケースもあります。

 

 例として、背中を挙げます。

 

 PCなどでデスクワークをしている時、人の身体は指だけを動かしているわけではありません。

 

 実は指先を器用に動かす為に、背中の筋肉は肩甲骨をガチッと固めています。

 

 「いや、力なんか入ってないよ?」

 

 そう思っている方もいるかもしれません。

 

 デスクワーク作業をしていて背中や肩が凝るのは、「動かさないから」ではないかと――

 

 実際はそうではなく、筋肉は「動き」ではなく「固定」という形で働いていて、「使い過ぎ」による疲労から凝ってしまうのです。

 

 では、それを実感してみましょう。

 

 まずは、手首をぶらぶらと振ってみてください。

 

 その時、あなたの肘や肩や背中は、動いていますか?

 

 完全ではなくとも、ある程度「固定」されているはずです。

 

 わかりにくければ、先に肘をしっかり振ってみましょう。肘を大きく動かし、同時に手首も同じくらい大きく動かそうとすると・・・。

 

 やりにくいはずです。手首をしっかりと動かすなら、肘はある程度固定させた方がやりやすいでしょう。

 

 同様に、背中や肩をグニグニ動かしていると、手首は動かし辛いはずです。人の身体はそうできています。

 

 キーボードを押す指とマウスを動かす手首、両方を柔軟に使いこなす為に、身体は背中をしっかりと固定するのです。

 

 具体的には、背中の筋肉である僧帽筋や脊柱起立筋群、棘上・下筋などが肩甲骨周りをガチッと固めます。

 

 そのため、デスクワークの方は背中の筋肉が「使い過ぎ」で硬くなります。

 

 グニグニ動かしての「使い過ぎ」ではなく、ガッチリ固める形での「使い過ぎ」です。

 

「でもそんな、大きく動かしているわけでもないのに使い過ぎだなんて・・・」

 

 中にはそう感じる方もいるかもしれません。

 

 ですが、固定する形自体での疲労は小さくとも、その時間が何時間とも続くとなれば、総合的な負担はかなりのモノとなります。

 

 動かしての10(負担)×1(回)よりも、固定での1(負担)×120(分・時間)の方が大きいという事です。

 

 もちろん、この数字自体は適当です。

 

小さな負担でも、長時間や継続での総合的な疲労は馬鹿にできない事をわかりやすくしただけですね。

 

 

 

いずれにせよ、筋肉の働きには「運動」と「固定」があり、その疲労は慢性的なものとして負担になりやすいです。

 

疲労を溜め込まぬよう、継続的にケアも行いましょう。

 

自らの身体について、もっと詳しい知識とイメージを持てるようになりたいですね。