
今回はあまり一般的ではない内容になります。
皆さんも痛みや炎症などの症状がある時、「冷やした方がいい」と言われた経験があると思います。
逆に、「暖めるのは良くない」とも、言われたかもしれません。
しかし、「何を目的とするか」によっては、暖めるのもあながち間違いではないかもしれません。
どちらを選ぶべきかは、目的次第です。その違いとは、
・とりあえず痛みや腫れを引かせたいなら、「冷やす」。
・痛くても何でも、とにかく早く治したいなら「暖める」。
通常であればアイシングなど「冷やす」事を勧めますが、もしプロのアスリートのように
「怪我したけど何が何でも明後日の大会に出たい!」という時は、「暖める」のもアリです。
ただし、痛みや腫れがかえって強くなる可能性があります。
痛いし腫れますが、治るまでのスピードは速くなるので、結果的に痛む時間自体は減ります。
正直、辛いし大変なので、一般の方にはまったくお勧めできませんが―。
では、「冷やす」と「暖める」。これらが真逆の要素でありつつも、どちらも回復へと向かうのはどうしてでしょうか?
実は、『炎症』それ自体が身体を修復させる為のモノだからです。
『炎症』=痛みや腫れを引き起こす悪いモノ。目の敵にするべきモノ。
・・・ではないのです。『炎症』は、身体が回復へと向かう為のシステムであり、メカニズムです。
そもそも炎症が無ければ、壊れた場所は壊れたままです。
身体が治っていく為には、様々な段階を経て修復から回復へと向かう必要があります。
その細かい過程はここでは省きますが、それら一過性の状態(もしくはその時に起こる変化)が炎症なのです。
『炎症』= × 痛みや腫れを引き起こす悪いモノ。目の敵にするべきモノ。
〇 身体を修復する為に必要な過程であり、メカニズム。
まずはこのように、認識を変えるべきです。
変えた上で、今の状態を受け入れるところから完治への道は始まります。
痛むのも腫れるのも、理由があるから・・・そう思えば、見方も変わるはずです。
「まだ少し腫れているけど、痛みが無くなったから完治!」という誤解が、後で古傷となって問題となる事は、以前にもお話したと思います。
炎症に対して基本的には冷やすのが正解ですが、場合によっては暖めるのもアリです。
ただし、暖めるのは一時的に痛みや腫れが強くなるので、お勧めはしませんし自己責任でやってください。
本当の完治の為に痛みや炎症を受け入れ、しっかりと治し、より良い日常生活を送りましょう。